時計

Fortis(フォルティス) B-42 フリーガー 655.18.158

パイロットウォッチとしてはマイナーな印象はありますが、1912年設立の正統派ブランドです。伝説の始まりは1926年、バーゼルフェアに出品された世界初の量産型自動巻き腕時計「ハーウッド」の誕生だと思います。自動巻き腕時計の実用化がどちらが先だったかロレックスと血で血を洗う争いの末、フォルティスが世界初と認められたと言われていますが、腕時計の歴史においてこの偉業に最も貢献したのはフォルティスと手を組み自動巻き機構を開発したイギリスの時計技師ジョン・ハーウッドに違いありません。彼が開発した半回転ローター式自動巻きはシーソーに着想を得たと言われています。因みにロレックスが開発したのはパーペチュアル機構とも呼ばれる全回転ローター式自動巻きです

Fortis(ラテン語){形} 1:強い 2:確固たる 3:勇敢な

過酷な環境下での使用に耐えうるタフな時計を作り続けるブランドにふさわしいブランド名です。フォルティスのパイロットウォッチは世界最高高度記録をつくり、世界60以上の飛行部隊で採用されています。宇宙計画ではアメリカがオメガを採用したのに対し、ロシアはフォルティスを採用しました。1994年ミール計画以降、フォルティスが地球軌道を回った数は10万回を超え、確固たる地位を築いています

径42mmのB-42シリーズは、コスモノート、プロフェッショナルとフリーガーの3ラインがあります。オーバースペックの時計を日常使いする贅沢は格別な満足感があります。そういう意味ではどれを選んでも間違いのないシリーズです

フォルティスの日本HPを見ると現行シリーズは、コスモノーティス(宇宙)、アビアティス(空)とアクアティス(海)の3シリーズからなります。公式HPでもB-42シリーズを見つけることはできませんが、その遺伝子を受け継いだモデルがリリースされています

フリーガー(独:飛行機乗り)はドイツ系パイロットウォッチに多く名付けられています。ミリタリーベースながらもオンオフ問わないシンプルでエレガントな雰囲気が共通していると思います

フォルティスのB-42フリーガーも例外ではありませんが、IWC、LacoやStowaらが40年代のプロペラ戦闘機なら、フォルティスはジェット戦闘機でしょうか。スピード感のあるデザインが特徴です。そしてフォルティスの顔とも言えるのが特徴的なローザンジュ(仏:菱形)針。他ブランドの菱形針は剣のようにスマートに先が長いのに対し、フォルティスの菱形針は棍棒のように力強く根元が長いと言えばよいでしょうか。この武骨とも言えるデザインにフォルティスがフォルティスたる主張を感じます

このモデルは黒くPVDコーティングされている2012本限定モデルです。フォルティスの限定モデルは少なくないので希少性は低いと思います。ステンレスケースと迷いましたが、弓管の黒革ベルトに黒のケースが締まって見えたので今回は黒にしました。一般的にオリジナルでもステンレスブレスは弓管、革ベルトは直管が多いですが、革ベルトで弓管というのは完成度が高いと思います

このモデルの最も特徴的なのは曜日が9時位置、日付が3時位置に分かれていることでしょうか。竜頭を一段引いて、下に回すと曜日が変わります。曜日は英語とドイツ語が交互に出てきます。竜頭を上に回すと日付が変わります。必ずしもこのスプリット窓が良いとは思いませんが、フォルティスの顔つきには合っていると思いました


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