時計

フランスの名門yema(イエマ)の復活

創業は1948年。老舗と言うほど古いブランドではありませんが、60年代以降フランスを代表する時計ブランドの地位を確立していました。破壊不能と評価されてフランス空軍に採用されたsupermanと名付けられたモデルのほか、ルパン三世も巻いていたブランドとして認知されています

最盛期には50ヶ国に輸出されていたイエマですが、1982年に身売りされます。1988年にはセイコー傘下に入りますが、2004年にフランス資本に買い戻されて母国へ戻ります。そして、セイコーグループに入った1988年から30年を経た2018年、フランスのブランドとして日本に上陸を果たしました

古き良きスポーツモデルを再現するイエマには、他のブランドにはない二つの魅力があると思っています。誤解を恐れず言えば一つ目は由緒正しき無名のフランスブランドだということです。アンティーク感漂うこんな時計が欲しかったという期待に応えるブランドはありますが、スイスブランドであるならブランドイメージとか格という先入観がつきまといます。イエマはそのような先入観を与えず、とはいえ新興ブランドがそれ風な時計を作っているわけでもなく、素直に良いものは良いと感じさせてくれる魅力があります。機械式でならともかくクォーツでこれだけ揃えてくれるブランドはイエマくらいではないでしょうか。

二つ目の魅力は、人目を惹くそのデザインです。時計に興味がない人でも、一瞬目を引くと思います。奇抜なデザインのチープな時計とは訳が違います。高級感漂うなかに他とは違う香りを漂わせています。無意識に他人の手元に目が行く人間ですが、いまだにyemaに出会ったことはありません。それくらいレアなブランドですが、一度見たら目で追ってしまうと思います

機械式時計の買い替えを趣味にしていますが、毎日付け替えるのはかなり不便を感じます。毎朝、止まっている時計の時間を合わせなければならないので。ときには時間を合わせないまま一日を終えることもあります。巻いていればいいんです。なんとなく落ち着きます。そんな生活をしているとクォーツの便利さに気づきます。そういうわけで何本かはクォーツを持っていますが、一番気になっているクォーツがyemaです

満を持して今春、ルパン三世が第一話で巻いていたyemaのミーングラフ・スーパーの復刻版がタイムギアオンラインショップから発売されました。セイコーのクォーツムーブメントを搭載している以外はほぼ忠実に再現されていると思います。しかも価格は税込み46,200円という、手が出せないほどでもない絶妙な価格帯

ルパン三世で育った世代ですが、正直なところ思い入れがあるほどのマニアではありません。が、買い替えを趣味にする私であってもこれは手放さないだろうと思いました。クォーツなので将来の値上がりはあまり期待できませんが資産価値が下がることもないだろうという打算も働いています

しかし、予約開始日をうっかり素通りし、翌日にアクセスするも既に完売。手に入らないとわかると余計に欲しくなるのが人の性というもので、ダメ元でyema本国のHPにアクセスしてみると普通に売っていました。フランスではカーレース好きかレトロデザインに惹かれた人が主なターゲットになるのでしょう

価格は349ユーロ(1ユーロ132円として46千円で送料込み)。なんとyemaジャパンからタイムギアオンラインで買うのと同じ。尤も、後で分かることですが日本に陸揚げした際にDHLから関税3,500円の請求がきたので国内で買う方が安い結果にはなるのですが、この差で本国から買えるならそれもありだと思います。一週間かからず届きました

https://eu.yema.com/

尚、2021年5月14日現在でタイムギアオンラインショップでは2次予約を受け付けています。納期は5月下旬~6月上旬とのことです

https://timegear-onlineshop.com/?pid=158566056

肝心の時計ですが、厚いです。ドーム型風防含めて13㎜。ただ、風防の厚みは感じません。本体がラグに向けて薄くなっていくフォルムではなく箱っぽい金属の塊感が厚さを感じさせます。ベルトが本体との一体感がなく、唐突にベルトが巻かれているところに70年代のレトロ感が強く押し出されている印象です

タキメーターのような表記のベゼルは回転式です。但し、数字は一般的なタキメーターとは逆で右回りに数字が大きくなっていきます。インダイアルにも数字が表記されています。どちらもが使い方は分かりません。因みに説明書は入っていませんでした

ツーメータークロノですが、右は常時稼働の24時間計。左は60分計で右上のボタンを押すと赤い秒針が動き始めます。これに合わせて60分計が起動。右下のボタンはリセット用です。赤い秒針は僅かに右へズレていますが個体差だと思います。イタフラ系は車も時計もデザイン重視で機能や精密さはそんなものだと割り切りたいところですが、ムーブメントはセイコーのVK64ということなので頼むよニッポンと複雑な心境です。因みにストップウォッチは60分で自動停止します。クォーツですし、せっかくインパクトのある太く赤い秒針ですから時計の秒針代わりに常時稼働させたいという人もいるかと思うので為念

ベルトはミラネーゼとレザーの2タイプから選べます。レザーは20ユーロ安く329ユーロ。レトロタイプの時計にはブレスならミラネーゼは良い選択肢だと思います。他方、レザーは穴を開けてスポーティーなデザインに仕上げています。それでもどちらも上品すぎる気がするのでラバーに替えてみましたがダサかったです。肉厚の武骨なレザーが合うような気がします

尚、専用箱はトラベルケースとして69ユーロで単品売りしています

2021年5月14日 記事更新