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パイロットウォッチの最高峰【IWC マーク15】

パイロットウォッチにおいて避けて通れないのが鉄板のIWCです。実際に旧ドイツ軍にパイロットウォッチを供給していたランゲ&ゾーネ、Wempe、Stowa、Laco、そしてIWCの5社の内の1社として由緒正しい系譜を持っています。当時の時計をモチーフにした市販用モデルを最初に手掛けたのがこのIWCであり、パイロットウォッチと言えばIWCという堅固たる地位を築き、このジャンルを牽引するブランドと言ってよいと思います。

しかし、一方でIWCが、道具色が強いゆえに魅力的だったパイロットウォッチを高級路線に導ている気がします。その契機はIWCが2000年にリシュモングループの傘下に入ってからではないかと思います。この機を境にマークシリーズも変化するわけですが、恐らく変化後の方が売れているのではないかと思います。というのもリシュモングループのもとで発表された16以降の基本デザインは今でも踏襲されているからです。つまりこの変化は市場に受け入れられたのだと思います。径40mmオーバーで日付窓を大きく広げた17は少し冒険的でしたが、どれも同じオーラをまとっていると言っていいと思います。

では、それ以前に発表されたモデルはダメだったのかと言うと、そんなことはありません。マークシリーズ最初の市販モデルであるマーク12はルクルトのムーブメントを積んだIWCの歴史の中でも希少なモデルです。パイロットウォッチとは思えない繊細なデザインと、しばしばムーブメントの安定性について指摘されるので好みは別れるところですが、マーク15については精悍な顔立ちに安定した性能。個人的にはデザイン・機能性においてマークシリーズの完成形ではないかと思っています。

マーク15は華やかさはないしアピール度も低いと思います。ですが、ミリタリーウォッチとしての洗練された美しさがあります。派手ではないというかむしろ地味ですが、パイロットウォッチに凝りだすとここに行き着くと思います。少なくとも、アラビア数字が12から11まで並ぶ最もシンプルなtypeAモデルで探したら他に行きようがない気がします。

今時の時計としては軽くて小さいですが、このデザインに38mmというサイズは絶妙だと思います。大きくて重量感のあるものを求めるならクロノグラフだと思っています。コックピットではなく日常使用でtypeAに求めるものはシンプルとコンパクトです。このデザインでサイズだけ大きくすると間抜けになりかねません。なので41mmのマーク17は日付表示を大きく開けることで広い文字盤のバランスをとったのだと思います。

アラビア数字のフォントの大きさ、太さ、字体も完成されていると思います。どれを変えてもバランスが崩れるような隙のない選択です。
艶消し黒の文字盤に白く盛られたシンプルなインデックスから、かつてはしばしばエクスプローラー1の1016と比較されたものですが、無理があると思います。その生い立ちが余りにも違うので。

1998年に発表されたマーク15は当然ながら新品で買うことはできません。なので探したなかで一番コンディションの良いものを買いました。パッと見たところ、インデックスと針は同じ白に見えますが実は塗料の色が違います。そのため焼けてくると違いが出てきます。つまりインデックスと針がバランスよく焼けません。ほとんどが針だけ焼けていくように見えます。

満足のいく個体に辿り着くまでに半年くらいかかったと思います。その間、マーク16か18で手を打とうかと何度も心が揺れましたが妥協できませんでした。確かにマーク16や18の方が華があると思いますが、単純に15は美しいです。

実をいうとマーク16以降の針の質感が好きになれなかったのが大きいです。マーク15の長方形の短針に最初は違和感を覚えましたが、見慣れると良く考え抜かれていると感心しました。どんな状況でも長針と見間違えようがありません。

シンプルな時計と言いながら、サイズや短針を踏まえると今では個性的なモデルではないかと思います。なので巻く人を選ぶかもしれません。確かにオフでは物足りないと思います。むしろ径40mmのマーク18やマーク11の復刻版の方がサイズ的に向いていると思いますが、オン使用ならマーク15のさりげなさが粋です。

typeAのシンプルな美しさに惹かれた人には是非巻いてほしい一本です!
IWC mark15はこちらから


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